リョウメンスクナについての考察です。
東日本大震災とリョウメンスクナ
洒落怖発祥の地であるオカルト板では、リョウメンスクナと東日本大震災との関連が話題になっていました。
リョウメンスクナがある場所では大きな災害が起きるという本文中の描写と、岩手県の古寺でリョウメンスクナが発見されたという設定から、東日本大震災との関連を連想してしまった方も多かったのではないでしょうか。
リョウメンスクナがオカルト板に投稿されたのが2005年で東日本大震災が2011年、忘れた頃に思い出すなら丁度いいタイミングです。
もちろん真相は不明ですが。
日本にかけられた呪い?
東日本大震災は韓国との呪術的な戦争によるものだとする指摘もオカルト関連ではよく見かけます。
その予兆として不思議な靄や奇妙な形の雲、発光現象など様々な異変も目撃されていて、これらの異変は地震の前触れではなく、韓国から攻め込んできた大量の悪霊と日本の神々や精霊が熾烈な戦いを繰り広げているものによるとされています。
韓国が日本を呪うために大量の豚を生き埋めにし、悪霊を呼び起こしたのだとか。
本来、日本の神々は非常に強く結界も強力なので破られることはないのですが、内側からの攻撃には弱いためリョウメンスクナのような小さな呪物でも被害を起こせたというのです。
それこそ本文中にあった
日 本 滅 ブ ベ シ
にも繋がり、一部の陰謀論界隈では今も語られている話です。
嫌韓ブームによる都市伝説
これらの背景には、当時の嫌韓ブームも関連していると思われます。
2002年のFIFAワールドカップ日韓共同開催で一時的に友好ムードもありましたが、強引な共同開催や韓国の反日的な姿勢、韓国代表のラフプレーや韓国に有利となる誤審が頻発するなど韓国に対する反感が強まっていました。
2ちゃんねるなどのネット掲示板でも嫌韓意識やマスコミ不信が強まり、2011年にはフジテレビが韓流偏向であるとしてフジテレビ抗議デモが発生するなどの時代背景もあり、韓国を敵対視した都市伝説もまことしやかに囁かれたものと思われます。
左翼政権だと日本が滅ぶ?
興味深いのは、東日本大震災が自民党から民主党になった事により八百万の神々が怒ってるのでは?という指摘です。
東日本大震災だけではなく、阪神淡路大震災も社会党政権時に起きました。
しかも戦後2人目の社会党の首相である村山富市氏は自衛隊への出動要請が遅れ、被害が拡大するという目も当てられない事態になります。
ただ自衛隊嫌いで出動要請をためらったのでは、といった批判に対して道路が大渋滞で主力部隊が入っていないだけ、という説もあるので本当に村山富市氏の思想的なものが影響したのかは不明です。
いずれにしても、東日本大震災も阪神淡路大震災も政権運営に不慣れな左翼の政府である時に限って激甚災害が起きたことも悲劇に繋がっています。
この2つの大災害が、よりにもよって両方とも左翼政権に起きたことの偶然には驚かされます。本当に日本の八百万の神々の怒りに触れたのでしょうか…
ちなみに2009年の8月に民主党政権が誕生後、各地で御神木が倒れたり凶事が起きていることも見逃せません。
2009年10月8日 伊勢神宮「樹齢数百年」巨木倒れる
2009年10月8日 伊勢の夫婦岩の大しめ縄が切れる
2009年10月14日 灘のけんか祭りで見物客1人が死亡
2009年11月21日 神社の大木が倒れ七五三参拝の女性直撃
2010年3月10日 鶴岡八幡宮のご神木の大イチョウが倒れる
2010年4月3日 三重県の上げ馬神事で上がり損ねた馬が即死
2010年4月18日 妻科神社のご神木のケヤキ倒れる
2010年4月27日 永平寺 樹齢700年のご神木が真っ二つ
2010年5月8日 長野の御柱祭 ワイヤーが切れて柱が落下し2人死亡
2010年9月6日 宮城の鹿島神社 樹齢400年の杉の大木が倒れる
2010年9月11日 鹿児島県・屋久島で樹齢2000年とされる翁(おきな)杉が倒れる
2010年11月2日 宮城県・白鳥神社で樹齢800年以上のご神木のイチョウが
根元付近から折れ、倒れる
民主党政権でなくても御神木は倒れるし凶事も起こります。ただ、それらの統計がないため、あたかも左翼政権に日本の神が怒っている!というストーリーに乗せられてしまいそうになります。
『日本書紀』両面宿儺(りょうめんすくな)
リョウメンスクナの最も古い記述は、日本書紀で両面宿儺(りょうめんすくな)という名の鬼神が紹介されています。
上古、仁徳天皇の時代に飛騨に現れたとされる異形で、その姿は一つの胴体に二つの顔があり、胴体それぞれに手足があったというもの。
この姿は本編のリョウメンスクナと同じですね。
本編では単に奇形として生まれたものが見世物小屋に売られた設定ですが、もし創作だとすると日本書紀から発想を得ていた可能性はあります。
力がたいそう強く敏捷で、左右に剣を帯びて四本の手で弓矢を使い、天皇に従わず人民を略奪したため武振熊命に討伐されてしまいます。
六十五年 飛騨國有一人 曰宿儺 其爲人 壹體有兩面 面各相背 頂合無項 各有手足 其有膝而無膕踵 力多以輕捷 左右佩劒 四手並用弓矢 是以 不随皇命 掠略人民爲樂 於是 遣和珥臣祖難波根子武振熊而誅之
(現代語訳)
六十五年、飛騨国にひとりの人がいた。宿儺という。一つの胴体に二つの顔があり、それぞれ反対側を向いていた。頭頂は合してうなじがなく、胴体のそれぞれに手足があり、膝はあるがひかがみと踵がなかった。力強く軽捷(けいしょう)で、左右に剣を帯び、四つの手で二張りの弓矢を用いた。そこで皇命(すめらみこと)に従わず、人民から略奪することを楽しんでいた。それゆえ和珥臣(わにうじ)の祖、難波根子武振熊(なにわのねこたけふるくま)を遣わしてこれを誅した。
一方で、岐阜県の在地伝承では飛騨国から美濃国にかけての旧飛騨街道沿いに様々な伝承が残り、リョウメンスクナは天皇に反逆した逆賊ではなく鬼や龍を退治をするなど飛騨の英雄として描かれています。
まとめ
都市伝説に正解はありませんが、いろいろと思いを馳せてみるのもオカルト的な楽しみ方の一つと言えるでしょう。
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