369 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/19(水) 17:11:05 ID:O6Y0z2MY0
お久しぶりです。皆様。
「かんひも」のAです。
>230
ありがとうございます。
でも、さすがに土日のたびに、
母の実家に行くわけにもいかないので・・・
また、何かわかり次第ご報告します。
代わりといってはなんですが・・・
うちの爺ちゃんがらみの話しを一つ、手土産に。
370 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:12:42 ID:O6Y0z2MY0
前にお話ししましたとおり、
「かんひも」事件の時までは、
あまり母の実家へは遊びに行かず、
爺ちゃんともそんなに会うことはありませんでした。
しかし、事件後、
ミーハーな僕はあの時の爺ちゃんを格好いいと思ってしまい、
ちょくちょく遊びに行くようになっていました。
中学1年生の夏。
僕と爺ちゃんは二人で県内のキャンプ場へ、
キャンプをしに出かけました。
しかし、わりと有名なキャンプ場だったせいか、
ものすごく混んでいました。
「これじゃ、町におるんと変わらん」と
爺ちゃんが駄々をこねるので、
そこからさらに林道を奥へと入って行きました.
当時、爺ちゃんは65才くらいでしたが、
まだまだ現役バリバリで、
テントや諸々の入ったリュックを一人で担いで、
どんどん奥へと入っていきました。
371 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:13:46 ID:O6Y0z2MY0
しばらく行くと、古い木の標識で
「→坊泊(ぼうどまり?)」という看板がありました。
矢印の方へ行くと、ちょっとした川原に出ました。
僕らのほかには、人は誰もおらず、
「きっと坊さんがここに泊まったんじゃのー」
爺ちゃんはご満悦です。
気に入った僕らは、
そこにテントを張ることにしました。
「かんひも」以来、
多少霊感?というようなものが芽生えた僕ですが、
その時は何も感じず、
逆に神聖な雰囲気に、すがすがしい気分を味わっていました。
川で釣りをし、
夕飯にカレーを食べ、
爺ちゃんは晩酌をし、
ゆっくりと夜はふけていきました。
いろいろと学校の話しや、男同士の話しをして、
気が付くと夜の11時を回っていました。
372 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:15:09 ID:O6Y0z2MY0
「そろそろ寝るかの」
僕と爺ちゃんは、テントの中に入ると
それぞれ持ってきた寝袋にもぐりこみました。
程よく酔っ払っている爺ちゃんは、
すぐに寝息を立てはじめました。
慣れない山登りで疲れていた僕も、
すぐにウトウトと眠りに落ちていきました。
どのくらい経ったでしょうか?
僕はふと目を覚ましました。
「・・・・・!?」
起きると同時くらいに、背筋にヒヤっとした感じがありました。
首の付け根から、尻にかけて、氷でなでられるような
いやな感触です。
「かんひも」以来、怪異を体験するたびに感じる、
前触れみたいな感触です。
「爺ちゃん、爺ちゃん」
僕は慌てて爺ちゃんを起こそうとしましたが、
酔って寝ているせいか、爺ちゃんは微動だにしません。
373 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:20:02 ID:O6Y0z2MY0
「・・・チリン・・・」
そうこうしている内に、外で何か音がしました。
「・・・・・・・・・チリン」
何か、鈴の音のようです。
僕はパニックになりながら、テントの中を見回しました。
「・・・・!!」
その日は煌々と月が光っていて、
外の様子がテントの壁に照らされていました。
テントには、笠をかぶった坊さんでしょうか。
よく、お遍路さんがしているような格好の
影が映っていました。
そしてその影が、テントの周りをゆっくり
回っているのです。
外は砂利なのに、足音はまるでしません・・・。
「やばい、やばい・・・、ちょ、爺ちゃん!」
僕は泣きそうになりながら、
爺ちゃんを起こそうと必死でした。
374 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:25:56 ID:O6Y0z2MY0
「・・・・ど・・・こ・・・・・さと・・・へ・・・・・つ・・・かん」
なにやら、ぼそぼそとささやく声が聞こえてきました。
さっきより、影が近づいているようでした。
僕はもう怖くなって、寝袋にもぐりこみました。
「なんまいだぶ、なんまいだぶ・・・」
必死になって、よく知りもしないお経を必死に唱えていました。
どのくらい経ったでしょうか、
気が付くと外からは何の音も聞こえなくなっていました。
「・・・・・?」
僕は恐る恐る寝袋から顔を出しました。
もう、テントには何も映っておらず、
音も聞こえなくなっていました。
「良かった~」
僕は安堵で涙が出ました。
375 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:29:26 ID:O6Y0z2MY0
寝袋から出るため、
中からチャックを開けようとした時です。
「・・・チリン・・」
鈴が聞こえました。
「・・・!」
手が何かに触れました。
冷たくて、なにかごつごつしたもの・・・・。
僕はよせばいいのに、恐る恐る寝袋の中を覗き込みました。
「——————-!!!」
そこには、
目は抜け落ちて、眼窩がぽっかりと空いた、
骸骨に皮を貼り付けたような、
土色の肌をした坊主がいました。
顔の皮膚のそこら中、
風化したかのように黒ずんで、
穴が開いて中が見えていました。
「あうあうあうあうあ・・・・・」
僕は恐怖で声も出ませんでした。
坊主は、唇の欠けた口で
ニイィと笑いました。
376 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:30:22 ID:O6Y0z2MY0
「ここ・・・は・・さむ・・い・・・お・・・まえ・・・も・・・・おい・・・で」
坊主はそう言うと、
僕の頭をがしっとつかみました。
「わああ!」
そのまま、僕は寝袋の中に引きずり込まれそうになりました。
なぜか、寝袋のくせに底なしになったかのようで、
そのままどこかへ連れていかれてしまいそうでした。
その時です。
「ぬしゃあ!!うちのAになにしよる!!」
隣から爺ちゃんのものすごい怒鳴り声が聞こえました。
同時に、体が一気に楽になり、
僕はそのまま気を失ってしまいました。
次の日、目が覚めると、
爺ちゃんはすでに起きていて、
朝のスープを作っているところでした。
爺ちゃんに昨日のことを聞くと、
全く知らないとのこと。
ただ、僕が知らない坊さんに、
無理やり連れていかれそうになっている夢を見たそうな。
377 369 sage New! 2005/10/19(水) 17:31:32 ID:O6Y0z2MY0
僕らは朝飯もそこそこに、
あわてて山を降りました。
帰り道、キャンプ場の管理人さんに、
「坊泊」について聞いてみました。
昔、冬のある日、旅の坊様がこの村を通ったとき、
隣村へ通じる道を村人に尋ねました。
村人は、冗談で山に通じる嘘の道を教えたそうです。
きっとすぐ、だまされたと思って帰ってくると・・・。
しかし、真面目な坊様は、
村人に教えられたとおり、どんどんどんどん、
山奥へと入っていってしまった。
次の日、坊様が帰って来ないことを知った村人は、
村の若い衆と、山の中へ坊様を探しに出かけた。
かなり奥に入って行くと、例の沢に、
凍え死んだ坊様の遺体があったと。
少しでも寒さを凌ごうとしたのか、
首から下は雪に埋もれていたそうです。
あれはその坊様の霊なんでしょうか・・・。
コメント
シシノケは倍数体のウミケムシの類ではないのかな?
ウミケムシは時々陸に上がってネズミとか喰うらしいし…
犬の口がやられたのも毒針によるものと考えれば説明がつきそう…